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副業と生産性

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複業キャリアが、生産性向上につながる

 

労働力不足のグラフ

  人口減少と少子高齢化が引き起こす、
  労働力人口の不足という現実。

←パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」より参照

左図は、パーソル総合研究所が2019年3月に発表した「労働市場の未来推計2030」の掲載内容から参考資料として抜粋させて頂いたものです。

同社の推計によると、2030年に想定される労働力需要7,073万人に対して、見込める供給量は6,429万人しかおらず、644万人にものぼる労働力不足が現実的に起こってしまうとのこと。

私達の日々の経済活動を支えるために必要な労働力が足りない訳ですから、おのずと経済活動の縮小が余儀なくされてしまいます。そうなれば、国内総生産(GDP)の減少という雑誌活字上の話ではなく、私達の日々の生活レベルにおいても、当たり前に提供されていたサービスや商品が、今まで通りには提供されない社会になりえるということを意味しています。

 

「生産性向上」へ本気で取り組むことが、
 豊かな未来に繋がります。
 
パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2030」より参照→

さらに同社によれば、この労働力の需給ギャップへの取り組みとして、具体的には4つの打ち手があるとのことです。
具体的には、①女性・②シニア・③外国人のそれぞれの働き手を増やすことで労働力を向上させ、さらには④全体の生産性の向上により、労働需要自体を押し下げる必要があると言及されています。

労働力需要自体を下げるという発想は、私にとって新鮮な気づきでした。
AIやRPA(ロボットによる業務自動化)の発達は、生産性向上につながるのは事実だと思います。実際に私が働いていた職場でも、RPAによる提携業務の自動化が進んだりしましたし、私が長年携わっている人材紹介ビジネスにおいてもAIによる自動マッチング機能(レコメンド)、といった紹介サービスが始まったりもしています。やはり、デジタル技術の発達により、私達の作業能力は格段と飛躍していくことは確かだと思います。

ただし、AIやRPAをどう使いこなすかを設計したり、コントロールする我々人間側の能力が低ければ、最終的にアウトプットされる成果(生産性)も想定通りには高まらないとの危惧があるのも確かです。

 
労働力不足の内訳

越境し、学び直し、学び続ける社会へ。
一人ひとりが生産性を上げ続ける努力を。

たとえば、AIやRPAなどのツールを導入しようと意思決定する行為自体は、人間が行う意思決定行為です。
だれにどういう場面でどのようにシステムを使ってもらうか、を判断し決定するのは、私達人間です。
我々は日々、膨大な量の意思決定を行っていますが、そこに行きつくまでの判断材料や背景理解などはどのように進んでいくのでしょうか。おそらくは、過去の経験からだけではなく、各種データ分析に基づいたり、他社(競合)との比較を行ったり、得られる効果とのトレードオフを考えたり(費用対効果)。
その上で、最終的には人間が意思と覚悟を持って決断をします。決めるという意思決定行為自体は、人間にしかできません。

任せられる部分はテクノロジーの進化に任せながら、私達人間は、人間にしかできない能力を伸ばすことが重要だと思います。

では、この能力をどう磨き、どう伸ばすのか。
やはりは、日々のビジネスの実践現場を通してだと考えています。さらにい言えば、いくつの修羅場(困難や課題)を潜り抜けてきたかによりますし、複雑に絡まる事象を分解し、因数分解したうえで、最終的に決定する能力。
まさに、正解を導き出すというよりは、正解を創り出す能力が求められているのだと思います。

正解が一つではない時代です。単純な問題ばかりではない時代です。
だからこそ、意思決定力や思考力を養う実践の場として、今までの安全地帯から越境し、不慣れな場で自分の力を最大限に引き出す実践訓練の機会を持つことこそが、今のビジネスパーソンには必要だと考え、複業キャリアをお勧めしたいと思います。

現職を続けながら、複数のビジネスを経験する。転職では得られない能力・経験をパラレルキャリアで得ること。新しい時代の新しい働き方を実践することが、一人ひとりの生産性を高め、日本全体の生産性向上へと繋がっていきます。